子ども+スマホ=危険 にするのは無関心・無知な親
女子中学生のスマホ所有率は7割
現在何らかの携帯電話を持つ未成年者(10歳~18歳)のスマートフォン所有率は過去最高の70.6%となった。学齢別にみると、小学校高学年(10歳から12歳)が37.9%、中学生では76.2%、高校生では97.6%となった。
小・中学生がスマホを持っていても珍しくない時代になりました。
子どもにスマホをねだられているというお父さんお母さんも多いと思います。
私は、少し前まで携帯電話の販売をしていました。
そこで「子どもにスマホを買い与える保護者」とたくさん出会いました。本当にたくさんの小・中学生、高校生が「みんな持ってるんだよ!」などと言いながら親にスマホを買ってもらうのです。
先に言わせていただくと、
「自分がわからないものを子どもに与えるな」
これです。
スマホの購入手続きをする中で、スマホを理解している保護者の方は半分もいません。「お母さんはよくわからないんだから、店員さんの話をちゃんと聞いてね!」と子どもに全てを任せる親もいます。なんだかよくわからないものを子どもに持たせる親の気持ちがサッパリわかりません。フィルタリングすら子どもに判断させてつけないという親もいます。(もちろん危険性を説明し親に再度判断を仰ぎます)
スマホで犯罪の「加害者」や「被害者」になり得る
一番認識して欲しい部分です。スマホはホイホイ買い与えていいようなオモチャではありません。トランプではないのです。世界につながる通信機器なのです。もちろん出先で連絡がとれるので子どもに持ってもらえば安心ですが、連絡がとれるだけではないのです。
以下、実際に起こったスマホ関連のトラブルです。
・ネットいじめ、誹謗中傷を行う
岡山県内の女子中学生が自殺しました。彼女のブログに侮辱する内容があったため告訴した結果、同級生が岡山家裁に書類送致されました。
・他人のIDやパスワードを盗む、ゲームのアイテムを盗む
・ネット殺人予告、犯罪予告を行う
岡山県内の少年が、携帯電話からインターネットの掲示板にアクセスし、「7月27日、日曜日」というタイトルで「名古屋駅表で無差別殺人を決行します」と書き込み、偽計業務妨害容疑で逮捕されました。
・ゲームサイトでの脅迫
岡山県内の公務員が、大手ゲームサイトのチャット機能を利用し、サイト内で使える架空の通貨と引き換えに、女子中高生に胸や下半身の写真を送らせていました。また、10代の男子のふりをして携帯メールで会う約束をしてホテルに連れ込み、わいせつな写真を撮影しました。
全国で100人くらいの女子中高生が被害にあい、「ネット上に名前と学校名を載せ、学校にも送る」と脅迫されていました。
・ネットで知り合い実際に会う
岡山県内の会社員が、携帯電話のコミュニティサイトで知り合った女子高生にホテルでわいせつ行為を行い逮捕されました。
・高額な請求
小学生が親のクレジットカードを無断で使い、インターネットでオンラインゲームのゲーム通貨を購入し、親にクレジットカード会社から約30万円という高額な請求書が届きました。
などなどスマホ1つでこのようなトラブルに巻き込まれる、トラブルを引き起こす可能性があります。こちらはほんの一例です。
実際に私が受け付けたトラブル相談だと、
・息子のスマホの料金が高い(数万以上かかっていた)
・息子がスマホでアダルトサイトをみてしまい、数万円の請求をする画面がでた
・スマホばっかりいじって勉強しない
・買って数日で速度制限がかかった
などというものがありました。
トラブルが起きてから相談されても対処しにくいというのが本音です。
スマホを持つ子どもにはルールを、親には知識を
まず親が上記のようなスマホの危険を認識し、それをどのように防ぐか知識を持つ必要があります。その上で子どもが使う上でのルールを決めていかなければいけないと思います。大抵の子どもは買ってもらう時には調子よく「わかったわかった!ゲームばっかりしないよ!ちゃんと勉強するって!」などと軽く言います。
ルールについては先ほどの岡山県のサイトにとてもいい例がありました。
上記サイトのルールの一部です。
・所有者をハッキリさせる。
→親の所有物であり、それを貸してあげる、だからルールは守って。
・電話には必ず出る事
→連絡用に渡すものなのだから、電話には必ず出ること。
・利用時間を定める
→平日、休日それぞれの利用時間、使わない時間帯は親に渡すなど
ものすごく簡単に3つだけあげましたが、サイト内の説明、子どもへの説明の仕方などがとても説得力があるので是非一度目を通して参考にしていただきたいです。
では、親は何を知ればいいのかです。
- スマホの料金や月々の料金、修理にかかる費用
実際お店に来てスマホの値段にビックリする方は多いです。事前に確認して、その値段を払っても持たせる価値があるのか考えてください。
修理費についても確認していただきたいです。中高生からの「スマホを落として割ってしまった!」という相談は多いです。
- スマホトラブルを回避するための方法
アダルトサイトやギャンブルサイト、出会い系サイトなどへのアクセスをできないようにするフィルタリングサービスの内容を確認する(契約時に申し込みます)
不必要なアプリを取得したり使えないようにする、機能制限の方法を確認する
- パスワードは子どもに決めさせない
契約時にパスワードを子どもに決めさせる親がとても多いのですが、これは本当にやめた方がいいです。名義は親なのに子どもが契約上のパスワードを設定してしまうと、子どもが勝手に契約内容を変更することが可能になります。またスマホの利用料と一緒に有料アプリの代金を清算することなどもできてしまいます。パスワードは親が決めるべきです。
アプリを取るためのID・パスワードについては、子どもが決めてもいいと思いますが可能であれば共有していた方がいいと思います。(Androidであればグーグルアカウント、iPhoneであればappleID)忘れたとき面倒です。
画面のロックのパスワードも共有すべきだと思います。子どもが設定したからわからない…という親が多いです。この状況は親に秘密にしなければいけない何かがスマホ内にあるということになります。
そのほか知っていてほしいこと
- ネットの情報を鵜呑みにしない
ネットの情報のすべてが正しいとは限りません。意図的な嘘や、表現不足による勘違いなどの可能性があります。正しい情報が欲しい時はSNSや口コミサイトではなく、公式ホームページを確認するほうが正確性が高いなど使い方も一緒に教えて欲しいです。先日親戚の子どもが「あの芸能人は同じ地元出身だ!ネットに書いてあった!」と教えてくれましたが、あとで調べたら間違った情報でした。ネットに書いてあること=正しい、という思い込みは危険です。
- 発信した情報は誰がみているかわからない、消せない
特定の誰かとやりとりしていたと思ったら世界中の誰でも見れるようなサイトだったということもあります。自分が発信する情報には責任をもちましょう。また、軽い気持ちで自分の顔写真をSNSに載せたりするとずっとネット上に残ります。名前や最寄駅などと一緒に載せてしまえば個人を特定され、ストーカー被害にあったりするかもしれません。部屋から見た風景なんかでも住所を特定するすごい人がネット上にはいます。画像はネットに載せないほうが安心かもしれません。
他人が勝手に自分の写真をネットに載せるという可能性もありますので、載せられて困るような写真(例えば裸とか)は撮らせない・撮らないのも大事です。
- 違法ダウンロードは犯罪です
違法ダウンロードとは、ネット上に違法にアップロードされている映像・音声の著作物を、違法なものであると知りながらダウンロードする行為を言います。
スマホを持たせた責任は親にある
しっかりとルールを定め、親子で危険性を理解した上で利用してほしいです。
何かが起こってからでは遅いのです。
「スマホなんてわからない」と放りなげずにしっかりと知識を持って、それから子どもに持たせてください。
「私はガラケーなのに子どもはスマホ、子どもの方がいいものもってるなんて〜」と笑っている場合ではありません。子どもが犯罪の加害者になったり、被害者になってから「そんなの知らなかった!」じゃ済まされないのです。
今一度スマホの危険性を認識していただき、子どものスマホ利用について見直すきっかけになればと思い書きました。
この記事だけでは知識を得るには不十分ですので、いくつか参考になりそうなサイトのリンクを貼っておきます。
記事の中でも紹介した岡山県のサイト。親子でのスマホ利用について詳しく書かれています。
スマホの危険を疑似体験できる無料アプリです。
保護者向けに作られたサイト。わかりやすいです。
docomoのフィルタリングの説明動画
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